Report

2023 / 5 / 15

 

日本の食料自給率について

 


戦争リスクも含めて、過去、食料・肥料・原材料は、海外から調達すれば良いという最高の経済的競争原理が、日本には売りたくない海外諸国が増加するにつれて、日本の食料不安となり、安全保障上の最大のアキレス腱と言われる様になりつつあります。日本の安全は、勿論、防衛も大切ですが、食料が確保出来なければそれ以前の問題となりかねません。一方、現在日本の最先端技術力は、核融合炉やカーボンニュートラル水素エンジン車の開発などを加速・実現しつつあり、日本が世界から期待される分野では広く世界に貢献しようとしている事もまた事実です。

日本の今後改善すべき弱点は、数多くあります。農薬使用料が、超大国である中国13kg/haに次いで、日本は11.4kg/haと世界トップレベルである事が広く知られています。また、食品添加物も世界一と言われてその位置を維持しています。勿論、食料自給率も問題の1つです。過去、数十年間あまり色々議論がありましたが、改善は殆ど進展していません。

畜産農家や穀物農家は、過去・現在迄、補助金を受けていますが、農業を中止する方向の補助金では?という疑問の声が上がっています。(食料不安が世界的に拡大していますので、問題では?という声も多くあります。因みに、ロシアの穀物自給率は、132%です。ウクライナは、440%でした。自給率の低い国は、中長期の戦争の出来ない国と言う専門家もいます。

食料自給率の低さは、戦争をさせないという意味では良いのかも知れませんが、大きな災害や世界的な経済や環境変化にも脆弱であるという点には注意が必要です。(私達の命を守るという点では大切です)

日本と世界の食料自給率(農林水産省 2019)